王様「おお かつぜ! 勇者ロトの血をひく者よ! そなたの来るのを待っておったぞ!!」
かつぜ「えっ!?(ええええぇぇぇぇ!!??)」
かつぜ(なぜ俺がロトの血をひく者なんだ!? そりゃあ確かに人より力もあるが・・聡明だと近隣では評判になっているようだが・・だからといって・・)
さらに王は続ける。
王様「その昔、勇者ロトが神から光の玉を授かり、魔物たちを封じ込めたという。
しかし何処ともなく現れた悪魔の化身・竜王がその玉を闇に閉ざしたのじゃ。
この地に再び平和を!!
勇者かつぜよ、竜王を倒し その手から光の玉を取り戻してくれ!
ワシからの贈り物じゃ、そなたの横にある宝の箱を取るがよい。
それと地図を与えよう。
そしてこの部屋にいる兵士に聞けば、旅の知識を教えてくれよう。
ではまた会おう、勇者かつぜよ」
かつぜ「王様、何故わたしが勇者ロトの血をひく勇者なのでしょうか?」
王様「旅の支度ができたなら またワシに会いに来るがよい、待っておるぞ かつぜよ!」
かつぜ「はっ!(ダメか・・)」
かつぜ(兵士たちはどう思ってるんだ? 本当に俺がロトの血をひく者だと思っているのだろうか?)
かつぜ「あの~兵士様・・」
兵士A「お城を出ると隣に町がある、そこでまず武器と防具を買い揃えることだ」
かつぜ「はっ! 了解しました。(やっぱり同じか・・)
かつぜ(言われたとおり宝箱の中身を頂くか・・)
宝箱の中身<120G(ゴールド)、たいまつ>
かつぜ(こんなものか・・。ウチの生活費3か月分くらいあるが正直もっと多いかと思ったよ・・)
かつぜ「ありがとうございます! これを元手に旅の支度を調えてまいります、それでは!」
王に会釈をし、王の間から出ようとすると兵士の1人がこそこそと話しかけてきた。
兵士B「ローラ姫のことはご存知か?」
かつぜ「いいえ・・」
兵士B「姫様が魔物たちにさらわれて半年になる。
王様は何もおっしゃらないが とても苦しんでおられるはず・・。
かつぜ、どうか姫を助け出してください!!」
かつぜ「わかりました」
(姫がさらわれただと・・!? どうりで王様の隣が空いていた訳だ・・。
何てことだ・・竜王よりもこっちの方を急がなければいけないかもな・・)
通路に出て、先ほど上がってきた階段を下りる。
来る時は急ぎ足で、通り過ぎるしかできなかった1階フロア。
もう急ぐ必要はないので人と話したり色々情報を収集してみるか・・。
女性「あぁ・・ローラ姫は一体どこに・・」
町人「ここラダトームは昔 楽園でした、それを魔物たちが・・」
商人「噂では魔物たちに滅ぼされた町もあるらしいです・・」
かつぜ(町が滅ぶ・・!? じゃあ俺の村なんて襲われたら ひとたまりも・・)
商人「私たちは旅の商人です、多くの仲間が魔物たちに殺されました・・」
かつぜ(まともに輸送も出来ないのか・・なんて物騒な・・)
兵士「あぁ・・ローラ姫は一体どこに・・」
かつぜ(またローラ姫の事で嘆く人が・・姫がさらわれたのは、よほどショックだったんだな・・)
まぁ・・当然だが暗い話しか聞けなかったな・・。
結構 時間も経ったし そろそろ家に帰るか。
親にも報告しないとな・・。
かつぜは城を後にした。
村に到着した頃には すっかり夕暮れになっていた。
続く・・。
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